※後加工生地を仕立てています。
塩縮加工することでグッと目の詰まった表情に変化した天竺を使用し、ノーカラーのシャツをインコードロック仕様で仕立てました。
羽織りとしての機能性と、シャツとしての機能性を併せ持ったようなアイテムで、その時のコーディネートにより幅広く着用できるアイテムです。
塩縮加工ならではのテクスチャーと、インコードロック仕立ての他では絶対にできない組み合わせです。
着用モデル:身長170cm 60kg 着用サイズ:grayish green 3(M)
表地説明
鉄媒染コットン吊り天竺(和歌産地)
釘などから抽出された鉄分を含んだ媒染剤により、鉄分を付着させたグリーンコットン糸を使用した吊り天竺。
グリーンコットンは突然変異でできた偶然の産物として大変希少性の高いもので、柔らかなグリーンがかった色目が特徴です。
鉄媒染することで堅牢度が高くなり、また独特な深みのあるグレー色がTシャツ地にフィットします。
糸に負担をかけることなく編める吊り天竺は、ふっくらとして肌あたりも柔らかで、心地の良い触感が肌に直接触れるTシャツ地として最適です。
加工説明
塩縮加工(山梨県)
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使用し、独特なシワ感や凹凸を生地に与える加工方法です。
とても手間のかかる加工のため、大量加工には向かず、すべて手作業で行います。
また、使用する薬剤が危険を伴うため、高濃度で加工できる工場さんはとても希少です。
---シリーズ説明---
インコードロックシリーズ
洋服をミシンで縫うためには縫い代が必ず必要となり、それぞれの箇所に合った縫い代始末を考えることも洋服製作においてはとても重要なことです。
その縫い代の始末の仕や出来栄えで洋服の見え方は変化するほど、縫製者の腕のせ所ともいえます。
洋服は多数のパーツの組み合わせであり、パーツを合わせる箇所全てに縫い代始末が存在します。
多種多様な始末が存在しますが、時と場合により、その縫い代始末が分厚くなったり、硬くなったり、着用感に違和感を覚えることもあるかと思います。ストレスのない着用感を実現するには、洋服の各シームを無くすという発想になることはごく自然なことで、近年では、縫うのではなく、接着する、ニットアイテムのように続きで網立てる方法など色々進化しています。
しかし、このインコードロック仕様は、今まで存在したミシンを使い、全く新しい縫い方によってシームレスを実現した方法です。
各パーツの端に細いコードを当て、振り幅の小さい千鳥ミシンでコードと身頃を縫い合わせていく始末の方法です。
最初に聞いただけでは全く理解できないのですが、その特許技術を持つ工場に出向き、実際に目の当たりにした時には、本当に感動し言葉を失いました。
今までにあったミシンで全く違う縫い方を考え、しかもそれが単に面白い始末の方法ではなく、理にかなった落とし所になり、しかもその見栄えがとても美しいデザインにもなっているインコードロック。
技術革新による新たな機械によるものではなく、縫製方法をしっかりと踏まえたのアイデアによる全く新しい縫い方。
今あるものの中で、いかに新しい提案ができるかを模索している山内のコンセプトにもとても近しいものを感じ、今後もこの縫製方法を使用したアイテムを提案していきたいと思っています。
Buyersコメント
清涼感があり、素材の表情の良さが全面に出たノーカラーシャツ。薄手のカットソーですので一枚でも春秋のインナーとしても活躍します。独特な風合いと表情がコーディネートに奥行きをもたらします。なんとも表現し難い色合いもポイントです。