※24253と同素材のため、レイヤードスタイル可能。
インコードロックの仕様を使い始めてから、布帛屋としてのニットアイテムの幅が広がりました。
通常2本針で仕立てるであろうアイテムを、千鳥ミシンのみで縫製する事により、柔らかいニット製品特有のダレ感が軽減され、布帛とニットのちょうど中間のような独特な面構えとなります。
シームが無く一枚の布を羽織ったかのような着用感は、他にはなく唯一の感覚です。
・インコードロックシリーズ
洋服をミシンで縫うためには縫い代が必ず必要となり、それぞれの箇所に合った縫い代始末を考えることも洋服製作においてはとても重要なことです。
その縫い代の始末の仕方や出来栄えで洋服の見え方は変化するほど、縫製者の腕の見せ所ともいえます。
洋服は多数のパーツの組み合わせであり、パーツを合わせる箇所全てに縫い代始末が存在します。
多種多様な始末が存在しますが、時と場合により、その縫い代始末が分厚くなったり、硬くなったり、着用感に違和感を覚えることもあるかと思います。
ストレスのない着用感を実現するには、洋服の各シームを無くすという発想になることはごく然なことで、近年では、縫うのではなく、接着する、 ニットアイテムのように続きで網立てる方法など色々進化しています。
しかし、このインコードロック仕様は、今まで存在したミシンを使い、全く新しい縫い方によってシームレスを実現した方法です。
各パーツの端に細いコードを当て、振り幅の小さい千鳥ミシンでコードと身頃を縫い合わせていく始末の方法です。
最初に聞いただけでは全く理解できないのですが、その特許技術を持つ工場に出向き、実際に目の当たりにした時には、本当に感動し言葉を失いました。
今までにあったミシンで全く違う縫い方を考え、しかもそれが単に面白い始末の方法ではなく、理にかなった落とし所になり、 しかもその見栄えがとても美しいデザインにもなっているインコードロック。
技術革新による新たな機械によるものではなく、縫製方法をしっかりと踏まえた方のアイデアによる全く新しい縫い方。
今あるものの中で、いかに新しい提案ができるかを模索している山内のコンセプトにもとても近しいものを感じ、今後もこの縫製方法を使用したアイテムを提案していきたいと思っています。
表地説明
縮絨アルパカニット (和歌山産地)
カシミヤニットと同じく和歌山の森下メリヤスさんのテキスタイル。
1887年創業深喜毛織さんの厳選されたベビーアルパカの糸を使用し、カシミヤニットと同じくアルパカの縮絨ニットを製作しました。
アルパカの繊維は太いので繊維自体が折れやすく、そのため縮絨するとシワになりやすいという難点があります。
そこで縮絨の仕方、時間を職人技で見極めることにより、試行錯誤の結果スペシャルなニットが完成しました。
アルパカの風合いは残しつつも、手触りはしっとりと滑らかで、絶妙な縮絨加減がとても気に入っています。
厚過ぎず、薄過ぎず、絶妙なバランスのニットは、秋口の羽織から、冬のインナー素材としても最適です。