着用した感想
身長170cm 67kg サイズ3でジャストサイズでした。
見た目はシャープなのに、着心地が楽チンなので、履くと”病みつき”になりそうです。
Designerコメント
“カモジャージ“
ここ数年、ミーティングの度にこのキーワードで“何枚売れた”これを軸に“追加生産”なんて話をずっと聞いています。
4年くらい、もう聞きたく無いのにずっと言っています。それくらい売れています。
ではなぜそんなに売れるか?売れる理由を自分なりに分析します。
まずは生地。
尋常では無いくらい伸びます。そして戻ります(縮みます)
“伸びて戻る“その具合が凄く気持ち良い。まるで自身の皮膚、いやそれ以上に伸縮を補助してくれるような感覚を与えてくれるのです。
イメージで言えばスポーツ時に着るラッシュガードやスパッツ、その伸縮補助能力がジャケット・パンツに付いている。そんな感覚です。
そんな機能の素材に厚みとハリがあるのでジャケット・パンツに使えば見た目のスタイリッシュ感と高級感が出る。と言う事。
そしてカモフラージュ柄
この生地自体の機能はかなり高い物です。しかし一つ問題。それはポリエステル独特の光沢感。昨今ポリエステル等の化学繊維は非常に発展し、従来の機能性に加え表情までもが天然素材に近づいて来ていて、僕も多用していますがやはり特有の安っぽい光沢感が残ってる物も多く存在しています。この生地もそう。そのまま使えば“昔の体育の先生が履いてたパンツ”みたいな表情の商品になりかねない物でした。
そこで生地屋に相談し出てきた案が“エンボス加工”(熱で判を焼きつける的な)だったのですが、ポイントはその濃さ。
このエンボス加工、元々ある生地に更に加工する為その加工賃だけでもなかなかのコスト(金額)が発生します。ここでも出る“生地屋(技術家)のエゴ“せっかくやるならキチンと見えないと”と言う技術屋としては“ここまでできますよ!”と言いたいが為にゴリゴリのカモフラージュ柄を浮かしてきます。でもそうなったら僕の大嫌いな“お兄系?“な感じになってしまう。何回も試した末、完璧なバランスのカモフラージュを完成させましたがそれはもうパッと見、判断がつかないくらいの薄いカモフラージュ。生地屋的には失敗作と言っても過言では無いくらいの出来栄え。でもそこが肝。
元々最高のストレッチを誇る素材の光沢をどうにかしたい。と言う所からのスタート。カモフラージュの柄でジャケットを作りたい訳では無いのです。従ってこの薄さで正解。この薄さ故にパッと見カモフラージュには見えないから少しチャラ目の仕事の方くらいなら仕事着としても着て頂けます(むしろ「え?それカモフラージュじゃない!良いねー」なんて褒められるらしい)このオン・オフ両方で着れる2way感が出せるのが薄いカモフラージュ“シャドーカモフラージュ”なのです。
最近洋服作りを料理と同じ。と言っています。
素材を如何に生かして形にするか。料理も素材そのままを切ったり焼いたりする事もありますが、素材自体に仕事を施し最終的に仕上げるやり方もあります。このカモジャージは後者。その仕事を施された素材に合う形を作った。と言う事です。
ちなみにこの商品も何かを一つ買ったらそれだけでは済まないらしいのでご注意を!